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竹村総合法律事務所

代表弁護士のブログ

2020年2月3日 月曜日

民法(債権関係)改正(3)保証人・保証契約

※離婚においても、配偶者が保証人になっている場合や事業で保証している場合が多々あり、民法改正は重要な影響をもたらす。

①包括根保証の禁止の対象拡大→想定外の保証債務の履行を求められる事例があり、包括根保証禁止の対象を拡大する必要がある

【問題の所在】
 平成16年民法改正により、貸金等債務に関する包括根保証の禁止が規定されたが、貸金等債務以外の根保証についても、想定外の保証債務の履行を求められる事例があり、包括根保証禁止の対象を拡大する必要がある。
【主な改正の内容】
・極度額の定めの義務付けについては、すべての個人根保証契約に適用(新465条の2)
・保証期間の制限については、現状維持(貸金等債務に限定)(新465条の3)
・特別事情(主債務者の死亡や、保証人の破産・死亡など)がある場合の元本の確定については、すべての個人根保証契約に適用。ただし、主債務者の破産等があっても貸金等債務以外の根保証では元本確定事由とならない点は、現状維持(新465条の4)。

②事業用融資における第三者保証の制限
【問題の所在】
 個人的な情義等から保証人となった者が、想定外の多額の保証債務の履行を求められる事例があり、第三者個人保証を抑制する必要がある。
【主な改正の内容】
 事業用融資の第三者個人保証に関して、保証契約締結の日前1か月以内に作成された公正証書で保証人が保証意思を表示していなければ効力を生じないとの規定を新設(新465条の6~新465条の9)。

③保証契約締結時の情報提供義務
【問題の所在】
 保証人が主債務者の財産状況等を十分に把握せずに保証契約を締結している事例がある。
【主な改正の内容】
 事業上の債務の個人保証に関して主債務者による保証人への情報提供義務の規定を新設(新465条の10)。情報提供義務違反の場合、保証人が主債務者の財産状況等について誤認し、
主債務者が情報を提供しなかったこと等を債権者が知り、又は知ることができたという要件を満たせば、保証人は保証契約を取り消すことができる。

④主債務者の履行に関する情報提供義務
【問題の所在】
 期限の利益を喪失したことを保証人が知っていれば、早期に立替払をして遅延損害金が発生することを防ぐなどの対策をとることも可能であるが、保証人は、主債務者が支払いを遅滞したことを当然には知らない。
【主な改正の内容】
・個人保証一般における期限の利益喪失に関して、債権者の保証人に対する情報提供義務の規定を新設(新458条の3)。情報提供義務違反の場合、債権者は、主債務者が期限の利益を喪失した時からその後に通知を現にするまでに生じた遅延損害金について、保証債務の履行を請求することができない。
・債権者は、保証人(主債務者から委託を受けた保証人に限られる)から請求があったときは、主債務に関する情報を提供しなればならないとの規定を新設(新458条の2)することとなった。

以 上

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